ルノルマンカード覚書1:グランジュードルノルマンとプチルノルマン ― 2021年06月15日 22時24分04秒
マドモアゼル・ルノルマンという名のカード占い師は確かに存在したようですが、54枚の
「グランジュード・ルノルマン」と36枚の「プチ・ルノルマン」が初めて世に登場したの
は彼女の死後だったそうで、彼女が本当にこれらのカードを使って占っていたかどうかは
よくわかっていません。
特に「プチ・ルノルマン」の方はもともと「希望のゲーム」という名のスゴロクのような
ゲームに使われていたカードだったというのが判明しているそうです。とはいえ、「希望
のゲーム」のルールブックには「占いに使っても楽しいよ」的なことが書かれていたそう
で、マドモアゼル・ルノルマンが占いに使っていなかったとも言い切れないですね。
逆に「グランジュード・ルノルマン」の方はモロに占い用っぽいカードらしく、出どころ
はよくわかりません。マドモアゼル・ルノルマンの流儀で……とかマドモアゼル・ルノル
マンの弟子が……みたいな解説がされていたりしますが、本当なんですかね。
ここで気を付けなければならないのが、「グランジュード・ルノルマン」と「プチ・ルノ
ルマン」は全く別系統のカードであり、共通点といえばトランプのマークが入っているこ
とぐらい。最近流行りの「ルノルマンカード」と呼ばれるものはあくまでプチ・ルノルマ
ンの方であり、37枚以上あるデッキでもプチ・ルノルマンに拡張カードをプラスしたもの
であってグランジュード・ルノルマンとはほぼ無関係なのです。
私は占いカードコレクターを自称しているのでグランジュード・ルノルマンも欲しいので
すが、現在非常に入手困難な状態です。需要が無いのかあまり作られていないみたい。
それでも実態を確かめたかったので某解説書を買ってみたのですが、「54枚あるカードを
紹介していく」と書いていながらなぜか52枚しか紹介していなかったりしてますます謎が
深まった次第。どうなってんだ。
グランジュード・ルノルマンで占うには様々な知識が必要となり非常に難解であるという、
まるで占う側のレベルが低くてカードに負けてしまっているみたいな解説をよく見るので
すが、ただ単に使いにくくて普及しなかったんじゃないかな、と個人的には思います。
1枚のカードに文字や絵などのシンボルが7種類(トランプのマークを除いても6種類)
も詰め込まれていて、難しそうというよりは単純に使いにくそう。まぁ私は占いに関して
は素人なので何とも言えませんがね。あくまで個人の感想です。
ルノルマンカード覚書2:ルノルマンカードのルーツ? コーヒーパック ― 2021年06月17日 19時46分41秒
参考文献:ルノルマン・カードの世界(駒草出版)/伊泉龍一 桜野カレン
「プチ・ルノルマン」はもともと「希望のゲーム」というゲーム用のカードだったわけで
すが、さらにそのルーツといわれているのが「コーヒー・パック」だそうです。
トルココーヒーを飲んだ後にカップに残った粉の形を見て占う「コーヒー占い」というの
がもともとあって、それをコーヒーを飲まずとも占えるようにしたのが「コーヒー・パッ
ク」と呼ばれる32枚のデッキだったとか。
お気付きの通りプチ・ルノルマンの36枚とは数が合わないのですが、そのシンボルの多く
がプチ・ルノルマンと共通しています。
どういう経緯で誰が4枚増やしたのかは謎ですが。
ちなみにこの「コーヒー・パック」ですが、日本国内で「コーヒーカード」という名で復
刻しています。
『コーヒーカード』(発売元:FCM)
ラテアートっぽいデザインのかわいいカードです。
ちなみに裏面はビスケット柄。
「コーヒー・パック」→「希望のゲーム」→「プチ・ルノルマン」という流れが真実であ
るなら、占い用→ゲーム用→占い用という流れってことですね。面白い。時代の流行りに
寄せていった結果だったりするのでしょうかね。
ところで「希望のゲーム」のルールブックに「このカードは占いにも使える」と書かれて
いて、そのカードの並べ方として「8枚ずつ4列で並べて、残りの4枚を5列目として並
べる」という今日では「グラン・タブロー」と呼ばれている占い方がすでに載っていたそ
うです。36枚なんだから9×4じゃいかんのかと常々思っていたのですが、「コーヒー・
パック」の並べ方として8×4で並べていたという記述が残っていたそうで、そうなると
今日の「グラン・タブロー」の独特の並べ方はもしかしたら32枚だったときの名残では
……みたいなことを妄想するとちょっと楽しくなってきますな。
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